水の常識
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飲み水の発癌性物質の基準値について説明してください。
物質の毒性についてこの程度までなら害がなく安全という限界の値を閾値(いきち)と言いますが、発癌性物質についてはこの閾値というものがなく、たとえ発癌性物質の分子が一個しかなくても、その一個が遺伝子に作用して癌を引き起こしてしまう可能性があるのです。そこで「リスクマネージメント」という考え方から、WHO(世界保健機構)では発癌リスクを10万人あたり一人以下に押えることが期待できる基準として飲料水のクロロフォルムの濃度を30ppb以下と定めています。日本の基準はWHOよりもずっと甘く100ppb以下となっています。
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湯ざましの水は安心して飲めますか
水は加工を嫌います。水に加熱すると確かに塩素はなくなりますが、溶け込んでいる酸素も失われ「死んだ水」になってしまいます。煮沸した後の水で金魚を飼っても長くは生きません。したがって、湯ざましは酸素の無くなった死んだ水であり危ない水なのです。
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トリハロメタンは沸かせば大丈夫ですか
発癌性物質のトリハロメタンは煮沸すると濃度が4倍近くにも増えるため、沸いた直後に飲む ことは絶対に避けるべきです。ただしそのまま5分から10分程度沸かしつづければ空気中に逃げます。しかし、最近のように密閉された電気保温ポットでお湯を沸かすのはトリハロメタン の量を増やすだけふやすことになって最悪です。
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母親の飲む水が胎児に影響しますか
羊水が100%水分であり胎児の90%が水であることを考えれば、母親の飲む水の影響を胎児が強く受けるのは当然のことです。最近増えている異常出産や子供のアトピー性皮膚炎、小児喘息、小児癌などが母親の飲んでいる悪い水と関係があるといわれています。
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朝一番の水道水が危険といわれていますが本当ですか
朝一番に水道の蛇口から出る水は、当然ながら一晩中水道管に溜まっていた水で、有害物質 がたっぷりと溶け込んでいる危険な水です。少なくともバケツ2~3杯は飲料以外に使い、その後の水を飲むようにするのが賢明です。
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ミネラル分をミネラルウォーターなどの水から摂る必要はありますか
ミネラルとは人間に欠かせないカルシウム、マグネシウムなどの鉱物質の成分をいいます。他にも鉄やマンガン、銅、亜鉛、セレン、ヨウ素、コバルトなどの必須微量元素が数多くあり、一日の推定必要量が定められており、摂りすぎは毒として働くこともあります。水のミネラル分がよく問題にされますが、水に頼る必要は全くなく、バランスよい食生活を心が けていれば、一日の必要量は自然に摂取できるはずです。
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清涼飲料水などのドリンク類の健康への影響は
水道水は危険だからと、ジュースや流行のスポーツドリンク類ばかり飲むのは身体に良くあり ません。これらの飲料は酸素が抜け、また様々な化学合成添加物や糖質が含まれているため体内のカルシウムが奪われたり肥満の原因になったりします。特に育ち盛りの子供や骨の弱ったお年寄り、肥満体質の女性などに悪影響をもたらします。
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飲料水の適否検査を依頼するにはどうしたらいいのですか
最寄の保健所に依頼するのが簡単です。保健所で水質検査の容器を借り、その容器に水をいっぱい採って持っていけば検査をしてくれます。結果が判明するのは1~3週間ほどかかります。
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家庭で簡単にできる水質検査の方法はありますか
残留塩素、pH、硬度、アンモニア、亜硝酸、硝酸、リン酸塩化物などを調べるための試薬などがそれぞれセットになって市販されており、薬局やデパート、理化学器具店などで安価で入手できます。